肥満遺伝子は書き換えることができる

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肥満遺伝子を持っていなくても安心できない

遺伝子研究の発展により、多くのことが遺伝子の名を借りて行われるようになりました。

最近は、肥満に関する遺伝子の有無を調べて、被験者に適したダイエット法を紹介しようとする検査キットなども売られています。

また、糖尿病は、遺伝的な要素が大きいとされる病です。「たび重なる飢餓に耐えて生き残ってきた日本人の体は肥満になりやすく、遺伝的に糖尿病になりやすい」と語る医師の言葉もよく見かけます。

確かに、日本人は糖尿病のリスク遺伝子を持つ人が大半です。しかし、リスク遺伝子を持っていても発症しない人もいます。

肥満も糖尿病も、自分の力で予防でき、克服できる病です。生活習慣病の発病に関しては、リスク遺伝子の保有以上に重大なのは、生活習慣です。

肥満遺伝子は生活で変わる

実は、生活習慣には遺伝子を変えてしまう作用があることが、近年の研究によりわかったのです。それこそが、エピゲノムです。「エピ」とは「後天的な」、「ゲノム」は「DNAの塩基配列」、すなわち「すべての遺伝情報」のことです。つまり、エピゲノムとは後天的遺伝情報という意味です。

先天的には同じゲノムを持っていたとしても、後天的な環境因子によってゲノムは修飾され、個体レベルにおいて形質が異なってしまう、という新しい学説を「エピジェネスティクス」と呼びます。

この学説にしたがえば、エピゲノムは肥満の発症にも関与していることになります。肥満になりやすいものを食べ、肥満になりやすい生活環境で過ごしているとエピゲノムが変化し、肥満になってしまうのです。

たとえ、先天的には肥満関連遺伝子を持っていなかったとしても、生活習慣が悪ければ、遺伝情報は後天的に書き換えられてしまいます。

私たちは日々、さまざまな環境で生き、飲食を繰り返すことで、エピゲノムに変化を起こしています。エピゲノムは、まるで自らの行動を示す「前科歴」のようなものです。

不摂生が限界を超えて蓄積されたとき、細胞死や細胞老化のスピードが速まり、生活習慣病と呼ばれる多くの病気が目に見える形となって表に出てきます。その中でも肥満は、悪しき習慣の証のようなものなのです。

同じ遺伝子を持っている二者を、環境の違う場所で育てると、個体差が生じることが次々に明らかになってきています。つまり、遺伝子は生活習慣によって変化することが証明されたのです。

たとえ肥満遺伝子を持っていたとしても、遺伝子は生活習慣によって書き換えることが可能なのです。これこそ「エピジェネティクス」の概念です。肥満が気になる人は後天的遺伝情報であるエピゲノムを、今日からの生活によって書き換えてください。